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) ■メーカーカタログ表紙及び発行者の画像はこちら アンドレ・ボーフォール ポリジィ ミレジム・ブリュット[2002] 産地 フランス/シャンパーニュ地方 タイプ 白泡/辛口 品種 ピノ・ノワール80%、シャルドネ20% 容量 750ml かつてはドザージュが多めのシャンパーニュが主流だったアンドレ・ボーフォールですが、最近は酸と糖のバランスが良くなり、ドザージュの少ないものが多くなってきました。
この2002年も葡萄の出来が素晴らしかったためにドザージュはg/Lとアンドレ・ボーフォールにしては極めて少なめです。
リンゴや白桃の香り、とってもピュアでありながら完熟したピノの果実感、酵母のニュアンスにスパイス、なによりシャルドネの緊張感のあるミネラルが感じられます。
驚くほどのピュアさと複雑さをあわせもった味わいです!1960年代からビオ栽培をはじめたシャンパーニュの元祖自然派! ドゥミ・セックで知られてましたが最近は素晴らしいブリュットが 造られています!年産僅か2500ケースの超少量生産品!! アンドレ・ボーフォール Andre Beaufort ●1960年代からビオロジック栽培 2017年1月22日から1月29日まで、シャンパーニュの13生産者を訪問してきたのですが、いちばん衝撃的だったのがこの造り手かしれません。
上の写真でご想像いただけると思いますが、彼らはアンボネイにある醸造所を最近ボリジィに移転しました。
最近と言ってももう2年以上前の話なのですが、未だに屋根も完成していないのです…(もちろん野ざらしではなく醸造所の上部はコンクリートで覆われていて、飾りとしての屋根がない状態)。
中に入るとさらに驚かされます…。
「(1960年代)当時アンボネイの僕の畑の隣人は僕が始めたビオロジック栽培を有害だとして非難した。
農薬を多量にまき散らす彼らこそが自然の生態系を破壊しているというのに。
」 - 2代目当主ジャック・ボーフォール(以下同) アンドレ・ボーフォールの2代目ジャック・ボーフォールは1969年から自然派農法を開始、1971年には一切の除草剤や化学薬品の使用を中止。
「雨が多いので農薬の使用量がボルドーに次いで多いとされるシャンパーニュ。
自然農法の導入は無理と言われた産地のひとつだった。
」 しかし、彼らはこの地に最も早く自然農法を導入することに成功しました。
ビオディナミでも使用が認められている銅も、土壌に長く残留するので100年単位で考えれば生態系のバランスを崩すとして使いません。
コンポストやハーブ、ホメオパシーのみで畑の手入れをしています。
アンボネイのほかにコート・デ・バールのボリジィにも畑を所有。
異なるふたつの地域で独自のスタイルのシャンパーニュを造っています。
●熟度と酸度の独特のバランス 「多くの造り手は8月にバカンスを取るが、僕らは必ず畑にいる。
この時期の葡萄を理解することでワインが決まる。
最近は早めに収穫をすることが多いし。
」 − 現当主アモーリ・ボーフォール(以下同) 現在は引退したジャックに変わり、3代目にあたる9人の兄弟が栽培・醸造を担当。
父の代から最も重視するのが葡萄の熟度レベルと酸の残り具合。
このふたつがワインの骨格となり、長期熟成を可能にすると考えています。
そのため、他の造り手と全く違う収穫タイミングになることも多いとのこと。
「葡萄の熟度が充分と言えるレベルまで上がったと判断すれば潜在アルコール度数が低くても熟度が下がる前に収穫してしまう。
大事なのは糖度ではない。
熟度と酸なのです。
」 一般的な考え方ではPH10以下で収穫が基本。
しかし彼らはPH3以下と高い酸度を得ています。
結果的にアルコール発酵、マロラクティック発酵後も十分な酸がワインに残り、醸造中にSO2を加えなくてもワインを酸化から守れるのだと言います。
「自然なワイン造りをするために酸を重視してきた。
父はこの強い酸とバランスを取るためにドザージュを多くしていた。
この10年で収穫時期を見極め、酸と糖のバランスを取れるようになった。
だからドザージュを減らせるようになった。
」 日本ではドゥミ・セックが知られていますが、すでにフランス国内ではブリュット・ナチュールの方が人気となっています。
●ティラージュ時も酵母添加なし 酸とともに彼らがこだわるのが野生酵母を使っての発酵。
1次発酵は長期使用している古木樽で野生酵母のみによって行います。
大きく違うのは2次発酵。
通常はティラージュ時に培養酵母を加えて瓶内2次発酵を行いますが、アンドレ・ボーフォールではティラージュ時にも酵母の添加はしません。
「1次発酵後にも僅かに残る酵母が活性化していれば、瓶内2次発酵時は葡萄の濃縮果汁を加えるだけで自然に発酵がはじまる。
重要なのは畑でしっかり自然酵母を育てること。
」 ヴィンテージによっては自然酵母の働きが弱く、2次発酵後もガス圧が1.2気圧程度にしか上がらなあいこともあるそうです。
(通常は5気圧必要) 「その際は、すべてのボトルからワインを木樽にもう一度戻し、活発な酵母を選び、移してあげることですべてのワインを活性化させます。
その後、再び少量のティラージュをして瓶内3次発酵をする」 すべて手作業なので大変な仕事です。
自然酵母のみのワイン造りは自然との闘いです。
〜2017年1月27日に訪問してきました!〜 外観だけでも衝撃だったのですが、リノベーション継続中の内部もすごいです。
まず、貯蔵庫内は電気が通ってません!ある意味最高の貯蔵環境ですが本気で何も見えません…。
そして、発酵・熟成を木樽で行うわけですが、これをひと樽ごとに瓶詰めするので樽ごとに味が違い、「同じ名前だけどこの前飲んだのとだいぶ味が違う!?」ということが当然のごとくあるのですが、それでいいんだそうです。
ただし、ボトル差は発生しますが、驚くほどピュアで、驚くほどおいしい。
ビジネスとして考えなければとっても面白いシャンパーニュです。